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洋服の裏事情2
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さて、それではこのブランド物は、誰がどうやって売っているのか?と言う説明をしながら
、洋服屋って職業を紹介して行きたいなと・・・・・・・。
やっぱりブランドの事って皆さん興味あるんですね。
百貨店に店舗を幾つか持っていた頃の事です。
ある日、同じ百貨店内のブランドショップの店長が烈火の如く怒って来店。
ままま落ち着いてと話しを聞くと、お客様からクレームが合ったと。
「この店にうちと同じプリント生地を使ったTシャツがあるって言うんですっ!!」
特徴を聞いて探すとありました。でもこれって・・・・。
ショップ店長は勝ち誇った様に「有ったでしょう?」と。
でも次の瞬間、プライスを見て彼女の顔色が変わりました。
彼女のブランドショップでは、この素材のTシャツが¥32,000。
ところが僕の店では?
同素材のTシャツが¥4,900(ノンブランドのワゴン商品)でした(笑)。
そう、8分の1の価格です。
後日、ワゴン商品メーカーの社長にこの話をすると爆笑して一言。
「あいつらどないして値段決めとるんやろ」と。
確かにオリジナルのプリントを染色するプランドショップもあります。
でも、出来合いのプリントで製品を作る方が、遥かに商品の企画費が安く済むんです。
だってほら莫大なライセンス料が・・・・。
ことほど左様にブランドと言う物は、非常にあやふやな物であり、
結局の所の某氏が仰られた様に「人の心の中」にある物かもしれません。
ただ・・・・これは僕自身の考え方なのですが、ブランドと言う物は時としてその人の
「レッテル」になってしまう、とも思うのです。
人と同じ物、人より良い物、と言う「他者」を基準にした考え方でブランド物を持つ事は、
自分のレベルを貶めてしまっています。
ブランド物を身につける事で自分の価値を操作する事は、人間としての中身の「自信の無さ」を露呈させるのです。
高い物を身に付けた所で、その人の人間としての価値は変らないのですからね。
たまたま選んだ物がブランド品だった。
似合う物がブランド品だった。
そう言う方は、中身が違うんです。
こんな話もあります。
百貨店時代色んなお客様を見て来ましたが、その中でもピカイチのセンスをお持ちのY様。
ある日、何の変哲も無い紺のジャケットに、白いシャツブラウス、そしてジーンズで、
ショルダーバックをさりげなく肩にかけられ、Tシャツを探していらっゃいます。
スタッフがお相手をすると、一枚のTシャツを選ばれ、今日はこれからドライブだから、
と、うちの店のTシャツに着替えて行かれました。
シャツをお畳みする時にちらりと襟ネームを見ると、やはり有名なブランド物。
そしてうちのTシャツを着て、颯爽と歩いて行かれました。
後ろ姿を見ながら、しみじみ「かっこいいねぇ」と僕。
そしてスタッフに「あんなTシャツうちに有ったっけ?」と思わず聞いてしまいました。
するとスタッフ曰く「社長、あれはワゴンの2,900円ですよ(笑)」と。
お世辞でもなんでもなく、僕にはそのTシャツが、超高級品に見えたんですよ(笑)。
つまり着る方が着られればどんな洋服でもオシャレに映えるんですね。
彼女が着た瞬間に安いTシャツの価値が上がっているんです。
つまり洋服に自分の価値を左右されずに、着る事によって洋服に価値が産まれる。
その風になる為にはどうすれば良いのか・・・・?
最後にこんなお話しをしましょう。
ジャ●コの研修で、とある旅館の女将さんとおしゃべり。
全員が同じ旅館の浴衣を着ている宴会の会場で、僕がちょっと意地悪に質問してみました。
「この中に大きな会社の社長さんが何人か居るんだけどお分かりになりますか?」と。
彼女曰く
「(笑)分かりますよ。全員が同じ浴衣を着ているから余計に分かりますね。」
ほほう、どうやって見分けるんですか?と僕が聞くと
「中身がちゃんとしているお客さんは、浴衣が教えてくれるんです。」
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